製造業の求人を考える

ホンダの期間従業員の求人がとても優れている

ホンダの期間従業員の求人を見ているのだけど、非常に福利厚生や給与が充実していると感じた。一番最初の入り口の段階で、月給30万円を保証した上で、寮や食堂などの生活に必須の施設が安価に利用できるとなると、お金を貯めようと思ったときの手段としては非常に優秀だと感じた。

実際に今、四日市の楠にある製造業さんの採用支援の仕事を受けているのだけれど、ホンダの期間従業員と比較した場合に選んでもらえる要素って何があるだろう?と分析してみた。

ホンダの期間従業員の募集LPでは、待遇面の訴求が列を連ねている

他社にはない満了一時金、研修制度、寮などの生活支援、正社員登用といったアピールポイントを全面に押し出しているが、この184万円が満了一時金として追加でもらえそう!というところが一番のポイントのようだ。

二つ目のセクションでも待遇面の押出が続いている。とにかく多くの生活支援があるおかげでお金が貯まるという訴求だ。

更に3つ目のセクションでも、給与についての説明が続く。年収でこれだけもらえるよと。1年目の非正規雇用で年収400万円を超えてくるのが驚きだ。

このことから、正社員にせよ非正規にせよ、中小企業で募集を出そうと思ったときに、年収ベースで400万円を視野に入れられる金額での募集が最低限必要になる部分だと思う。少なくとも、350万円程度はないと、まず比較対象にならないと感じた。

それ以外には、仕事の紹介、福利厚生の紹介、先輩の声の紹介と続く形だが、どこからどう見ても良い会社だと感じた。流石ホンダ。

ホンダの期間従業員と比較した場合に選んでもらえる求人とは

それでは、実際にホンダの期間従業員と比較した場合に、それでも選んでもらえる中小企業の仕事の条件とはどのようなものかを考えてみた。

整理してみたところ、主に訴求の軸となるポイントは4点まで絞ることができた。

  • 関わる人数が少なくて済み、落ち着いて働けること
  • 人間関係が良好でストレスが少ないこと
  • 待遇面が比較して見劣りせず、金銭的に苦労せず生活できること
  • 仕事を覚えるまでのサポートが徹底していること

私が考えるに、求人の不安は次の3つに大別できる。

  • 人間関係の不安
  • 業務遂行の不安
  • 生活待遇の不安

なので、これら三つを意識して訴求軸を組み立てつつ、ホンダの期間工と対比させて求人原稿を作り上げていけば、比較対象としては最上級の条件であるホンダの期間工と並んで選んでもらえる求人にすることができると考えた。

ただ、これを実現するためには、色々と条件がある。

  • 生活デザインとして、人と関わり合いが少なくて済むこと
  • そもそも人間関係が良好であること、離職率が低いこと
  • 事業的に確立されていて給与の額が十分なこと

概ね大手の企業を選ばない人が選ぶ中小企業の条件としては、このようなところだと思われる。基本的に、人間関係につかれたとか、あまり人と関わらなくて済む環境で働きたいと考えている人でないと、大手を選ぶ傾向にあると思うからだ。

その上で、事業的にしっかり売上が立っていて、給与を十分に支払っても問題ないことも重要だし、職場の人間関係や離職率のパラメータが良好でないと、中小企業を選ぶメリットを感じられなくなると思う。

求人原稿に反映して検証してみよう

仮説を立てたら求人原稿を書いて、実際に求人広告を出してみるということをやってみたいと思う。

原稿を書く上で、Indeedの検索キーワードなどのデータを活用できると更に良い原稿が書けると思うので、採用したい人物像の軸をずらさないようにした上で、活用できるデータは活用していけると良いと思う。

次回の出稿時に間に合うように原稿を直す予定なので、お客さんにも報告をしてPDCAを回していこうと思う。お客さんと議論をしながら改善を重ねていくプロセスは非常に楽しいが、採用支援の事業は事業化までもう少し時間がかかりそうなので、まずはお客さんに経験させてもらえるフィールドをいただきつつ、少しずつ実績を積み上げていきたいところだ。